「管理職になりたくない」人のキャリア戦略—昇進しなくても生き残れる？
@aoyama-hr-agent.com📌 日本企業の「マネージャー必須文化」、今後のキャリアにどう影響する？
「昇進、おめでとう！」
この言葉を聞いて、心から喜べる人はどれくらいいるだろうか？
かつては「出世＝成功」の図式が当たり前だった。
しかし、最近では管理職になることを望まない人が増えている。
むしろ、昇進の辞令を受けた瞬間、「どうしよう…」と不安に感じる」人も少なくない。
・部下のマネジメントに自信がない
・責任が増えるわりに、給料はそれほど上がらない
・プレイヤーとしての仕事が好きだから、管理職にはなりたくない
そんな理由で、管理職への昇進を避ける人が増えている。
では、本当に管理職にならなくてもキャリアは安定するのだろうか？
そもそも、日本企業はこの変化にどう対応しているのか？
「管理職になりたくない」人が増えている理由
近年、多くの企業で「管理職を希望しない社員の増加」が問題視されている。
実際、パーソル総合研究所の調査（2023年）では、30代の約40%が「管理職になりたくない」と回答。
理由はさまざまだが、共通するのは次のようなポイントだ。
・負担が増えるのに、給料があまり上がらない
管理職手当はつくものの、残業代は支給されなくなり、実質的に年収が変わらないケースも多い。
・マネジメントスキルが求められるが、誰も教えてくれない
「いきなり部下を持てと言われても、何をすればいいのか分からない」という声は多い。
・プレイヤーとしての仕事が好き
「管理職になったら、現場の仕事ができなくなる」という懸念から、昇進をためらう人もいる。
・責任が重すぎる
チームの業績、メンバーの育成、組織の調整——。
管理職の仕事は多岐にわたり、精神的な負担が大きい。
こうした背景から、「管理職にならない選択肢」を模索する人が増えているのだ。
企業は「管理職＝出世」の構造を変えつつある
こうした流れを受け、企業も変化を始めている。
特に、「プロフェッショナル職」のキャリアパスを用意する動きが加速している。
✅ 管理職とプロフェッショナル職を分ける企業が増加
例えば、ソニーや富士通では、管理職だけでなく、専門職（エキスパート）として昇給できるキャリアパスを導入している。
✅ IT業界では「スペシャリストコース」が一般化
エンジニアやデータサイエンティストなどの職種では、管理職にならずに高収入を得られる「スペシャリスト職」が定着しつつある。
✅ 外資系企業ではすでに「マネージャー必須文化」は崩壊
GoogleやAmazonのようなグローバル企業では、「管理職になるか、専門職として極めるか」を社員が選べる制度が一般的になっている。
このように、日本企業でも徐々に「管理職にならないキャリアパス」が整備されてきているのが現状だ。
管理職にならなくても生き残るために必要なこと
では、もし「管理職にならない道」を選ぶとしたら、どんな準備が必要なのか？
管理職を避けるだけでは、単なる「出世拒否」と見なされ、キャリアの選択肢を狭めることにもなりかねない。
そこで、昇進しなくてもキャリアを安定させるためのポイントを整理してみた。
✔ 市場価値の高いスキルを身につける
例えば、ITスキルやデータ分析、語学力などは、どの業界でも重宝される。
「管理職にならないなら、専門職としての価値を高める」意識が必要になる。
✔ 社内外のネットワークを広げる
管理職にならない代わりに、「社内で重要な存在」になる必要がある。
例えば、社内の横断的なプロジェクトに関わることで、自分の影響力を強めるのも一つの手。
✔ 転職市場で通用するキャリアを作る
「管理職ではなく、専門職としての道を選ぶ」という場合、転職市場で評価される経験を積むことが重要。
例えば、「この分野なら〇〇さんに聞けば間違いない」と言われるようなポジションを目指すのが理想。
結局、出世しなくても幸せになれるのか？ まず、幸せの定義を再確認するが必要あるが*、
結論として、「出世しなくても幸せになれるか？」は、キャリアの選び方次第だと思う。
*これ一番重要。盲目的に、高学歴⇒大手企業⇒昇進⇒幸せ、！？と思わないこと！
・管理職になりたくないなら、その代わりに専門性を極める
・会社が管理職以外のキャリアを用意していないなら、転職を視野に入れる
・自分に合った働き方を模索し、どこでも通用するスキルを磨く
これからの時代、「管理職にならない＝キャリアの停滞」ではない。
むしろ、選択肢はどんどん広がっている。
「出世したくない」と思うことに、後ろめたさを感じる必要はない。
ただし、何も考えずに流されるだけでは、キャリアの可能性を狭めることになるのも事実だろう。
先ずは、仕事をする意味や幸せの定義を再確認して、「昇進しない人生」を選ぶなら、
自分なりの幸福感のイメージとそこにたどり着く戦略を持つことが最も重要だと思う。
